我が国には古来より、己の苦境を隠し、周囲に悟られまいと振る舞う「やせ我慢」という崇高な精神文化が根付いております。「武士は食わねど高楊枝」「痩せ馬の先走り」「能ある鷹は爪を隠す」――これらの言葉が示す通り、本音を秘め、涼しい顔で困難に耐え忍ぶ姿は、我が国の美意識の根幹をなすものであります。

しかしながら近年、欧米由来の「自己開示」「心理的安全性」「ウェルビーイング」といった概念が無秩序に流入し、「辛いときは辛いと言おう」「助けを求めることは恥ではない」などという軟弱な思想が蔓延しつつあります。このまま放置すれば、我が国が世界に誇る「平気な顔で地獄を歩く」精神文化は、わずか一世代で消滅しかねません。

当協会は、やせ我慢を属人的な根性論から脱却させ、科学的に体系化された再現可能なスキルとして標準化することにより、次世代への確実な継承を図ります。具体的には、やせ我慢能力の定量的測定手法の確立、公認資格制度の整備、および組織におけるやせ我慢環境の認証制度の運営を通じ、本音をひた隠しにする健全なストレス社会の維持と、誰にも弱みを見せずに静かに自滅する美しい個人の育成に貢献してまいります。

一般社団法人 全日本やせ我慢普及協会
代表理事 我慢院 耐三郎